ダンテ

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神曲 LA DIVINA COMMEDIA 天堂 アリギエリ・ダンテ   Alighieri Dante— 山川丙三郎訳

第一曲萬物を動かす者の榮光|遍《あまね》く宇宙を貫くといへどもその輝《かゞやき》の及ぶこと一部に多く一部に少し 一―三 我は聖光《みひかり》を最《いと》多く受くる天にありて諸※[#二の字点、1-2-22]の物を見たりき、されど彼處《かしこ》...
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神曲 LA DIVINA COMMEDIA 淨火   アリギエリ・ダンテ Alighieri Dante ——–   山川丙三郎訳

第一曲かのごとく酷《むご》き海をあとにし、優《まさ》れる水をはせわたらんとて、今わが才の小舟《をぶね》帆を揚ぐ 一―三 かくてわれ第二の王國をうたはむ、こは人の靈|淨《きよ》められて天に登るをうるところなり 四―六 あゝ聖なるムーゼよ、我は...
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神曲 LA DIVINA COMMEDIA 地獄 アリギエリ・ダンテ    Alighieri Dante—– 山川丙三郎訳

第一曲われ正路を失ひ、人生の覊旅半にあたりてとある暗き林のなかにありき 一―三 あゝ荒れあらびわけ入りがたきこの林のさま語ることいかに難いかな、恐れを追思にあらたにし 四―六 いたみをあたふること死に劣らじ、されどわがかしこに享けし幸《さい...
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泣けよ戀人 ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri    —–上田敏訳

泣けよ、戀人《こひびと》、神の身の「愛」の君だに、 愁歎《しうたん》のいはれを識《し》りて泣き入りぬ。 「愛」は悲《かなし》み堪《た》へ難く、いらつめたちの 雙眼《さうがん》に溢るる涙、眺めたり。忌々《ゆゝ》しき「死」の大君《おほぎみ》は貴...
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忌々しき「死」の大君は    ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri —–上田敏訳

忌々《ゆゝ》しき「死」の大君《おほぎみ》は慈悲の敵《あだ》なり、 昔より悲《かなしみ》の母、 かたくなに、言向《ことむ》けがたき司《つかさ》かな。 われも心に「憂愁《いうしう》」の種《たね》を播《ま》かれぬ、 いざさらば憂《うれ》ひて已《や...
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歌よ、ねがふは ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri——– 上田敏訳

「歌」よ、ねがふは「愛」の神さがし求めて かの君の前に伴ひ歌はなむ。 「歌」はわが身の言別を、主《しゆ》はかの君を 恐《おそれ》無《な》く正眼《まさみ》に見つゝ語りなむ。禮《ゐや》には篤《あつ》き「歌」なれば、よしそれ唯《たゞ》の ひとりに...
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よそ人のあざむが如く     ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri —–上田敏訳

よそ人のあざむが如く、君も亦あざみ給ふか 我君よ、君はた知らじ、覺りえじ、世に不思議にも 俤《おもかげ》のかくは移ろひ、變りたる深きいはれを、 そは君がたへなる色を仰ぎ見し惑ひ心地ぞ。我心、君もし知らば、『憐愍《あはれみ》』のいかで堪ふべき...
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びるぜん祈祷 ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri ——–上田敏訳

母なるをとめ、わが子のむすめ、 賤しくして、また、なによりも尊く、 永遠の謀のさだかなるめあて、 君こそは人性を尊からしむれ、 物みなの造りぬしも、 其造りなるを卑まざりき。 その胎に照りたる愛は、 この花をとこ世に靜けく、 温め生ふし開き...
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きその日は ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri ——–上田敏訳

きその日は思《おもひ》むすぼれ、とぼとぼと 馬を進むる憂《う》き旅路、これも旅かや まのあたり、路《みち》のもなかに「愛」の神、 巡禮姿、しほたれて、衣手《ころもて》輕《かろ》し。うれはしき其《その》かんばせは、さながらに、 位《くらゐ》は...
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ありとあらゆるわが思     ダンテ・アリギエリ Dante Alighieri —–上田敏訳

ありとあらゆるわが思《おもひ》、「愛」と語りて弛《たゆみ》なく その種々《くさぐさ》の語《かたらひ》の數《かず》いと繁きひといろは、 勢《いきほひ》猛《まう》にわれをしも力の下に壓《お》さむとし、 またひといろは勢《いきほひ》を誇り語りて、...