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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第七巻 家の中 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

序       ジャン・クリストフの友人らへ 私は数年来、既知あるいは未知の離れてる友人らと、いつも心のうちで話をしてきたが、今日では声高に話す必要を感ずる。それにまた、彼らに負うところを感謝しなければ、私は忘恩者となるかもしれない。ジャン...
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第六巻 アントアネット ロマン・ローラン Romain Rolland— 豊島与志雄訳

母に捧ぐ ジャンナン家は、数世紀来|田舎《いなか》の一地方に定住して、少しも外来の混血を受けないでいる、フランスの古い家族の一つだった。そういう家族は、社会に種々の変化が襲来したにもかかわらず、フランスには思いのほかたくさんある。彼らは自分...
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第四巻 反抗 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

序 ジャン・クリストフの多少激越なる批評的性格は、相次いで各派の読者に、しばしばその気色を寄せしむるの恐れあることと思うから、予はその物語の新たなる局面に入るに当たって、予が諸友およびジャン・クリストフの諸友に願うが、吾人の批判を決定的のも...
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ジャン・クリストフ JEAN CHRISTOPHE 第三巻 青年 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

一 オイレル家 家は沈黙のうちに沈んでいた。父の死去以来すべてが死んでるかと思われた。メルキオルの騒々しい声が消えてしまった今では、朝から晩まで聞こえるものはただ、河の退屈な囁《ささや》きばかりであった。  クリストフは執拗《しつよう》に仕...
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ジャン・クリストフ JEAN CHRISTOPHE 第二巻 朝 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

一 ジャン・ミシェルの死 三か年過ぎ去った。クリストフは十一歳になりかけている。彼はなおつづけて音楽の教育を受けている。フロリアン・ホルツェルについて和声《ハーモニー》を学んでいる。これはサン・マルタンのオルガニストで、祖父の友人であったが...
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ジャン・クリストフ JEAN CHRISTOPHE 第一巻 曙 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

いずれの国の人たるを問わず、苦しみ、闘い、ついには勝つべき、あらゆる自由なる魂に、捧《ささ》ぐ。          ロマン・ローラン        昼告ぐる曙《あけぼの》の色ほのかにて、         汝《な》が魂は身内に眠れる時……  ...
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ジャン・クリストフ JEAN CHRISTOPHE 改訳について ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

「ジャン・クリストフ」は、初めカイエ・ド・ラ・キャンゼーヌ中の十七冊として発表され、次で十冊の書物として刊行されていたが、一九二一年に、改訂版四冊として再刊された。そのさい作者は、この長編の全部にわたって、至るところに多少|改竄《かいざん》...
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第十巻 新しき日 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

序 予は将《まさ》に消え失《う》せんとする一世代の悲劇を書いた。予は少しも隠そうとはしなかった、その悪徳と美徳とを、その重苦しい悲哀を、その漠《ばく》とした高慢を、その勇壮な努力を、また超人間的事業の重圧の下にあるその憂苦を。その双肩の荷は...
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第九巻 燃ゆる荊 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

われは堅き金剛石《ダイヤ》 金槌《つち》にも鑿《のみ》にも 打ち砕かれじ。 打て、打て、打ちみよ われは死なじ。死してはまた生き 屍灰《はい》より生まるる 不死鳥のわれ。 殺せ、殺してみよ、 われは死なじ。 ――バイーフ――     一 心...
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ジャン・クリストフ JEAN-CHRISTOPHE 第八巻 女友達 ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳

著者とその影との対話 予 まさしく乗るか反《そ》るかの仕事だね、クリストフ。お前は俺《おれ》を全世界と喧嘩《けんか》させるつもりだったのか。 クリストフ まあ驚いた様子をするな。最初からお前は、どこへ俺が連れてゆくかを知ってたはずだ。 予 ...