アンデルセン 赤いくつ DE RODE SKO ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 あるところに、ちいさい女の子がいました。その子はとてもきれいなかわいらしい子でしたけれども、貧乏だったので、夏のうちははだしであるかなければならず、冬はあつぼったい木のくつをはきました。ですから、その女の子のかわいらしい足の甲《こう》は、す... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン 人魚のひいさま DEN LILLE HAVFRUE ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 はるか、沖合へでてみますと、海の水は、およそうつくしいやぐるまぎくの花びらのように青くて、あくまですきとおったガラスのように澄みきっています。でも、そこは、ふかいのなんのといって、どんなにながく綱《つな》をおろしても底にとどかないというくら... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン 小夜啼鳥 NATTERGALEN ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 みなさん、よくごぞんじのように、シナでは、皇帝はシナ人で、またそのおそばづかえのひとたちも、シナ人です。 さて、このお話は、だいぶ昔のことなのですがそれだけに、たれもわすれてしまわないうち、きいておくねうちもあろうというものです。 とこ... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン 幸福のうわおいぐつ LYKKENS KALOSKER ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 一 お話のはじまり コペンハーゲンで、そこの東通の、王立新市場からとおくない一軒の家は、たいそうおおぜいのお客でにぎわっていました。人と人とのおつきあいでは、ときおりこちらからお客をしておけば、そのうち、こちらもお客によばれるといったもの... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン もみの木 ANTRAEET ハンス・スティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 まちそとの森《もり》に、いっぽん、とてもかわいらしい、もみの木がありました。そのもみの木は、いいところにはえていて、日あたりはよく、風とおしも十分《じゅうぶん》で、ちかくには、おなかまの大きなもみの木や、はりもみの木が、ぐるりを、とりまいて... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン ひこうかばん DEN FLYVENDE KOFFERT ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 むかし、あるとき、お金持のあきんどがありました。どのくらいお金持だといって、それは町の大通のこらず銀貨で道をこしらえて、そのうえ横町の小路《こうじ》にまでそれをしきつめて、それでもまだあまるほどの[#「ほどの」は底本では「ほのど」]お金を持... 2019.05.20 アンデルセン
アンデルセン しっかり者のすずの兵隊 DEN STANDHAFTIGE TINSOLDAT ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 あるとき、二十五人すずの兵隊がありました。二十五人そろってきょうだいでした。なぜならみんなおなじ一本の古いすずのさじからうまれたからです。みんな銃剣をかついで、まっすぐにまえをにらめていました。みんな赤と青の、それはすばらしい軍服を着ていま... 2019.05.15 アンデルセン